Taro Yoshida BLOG吉田太郎のブログ
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7月2021
ご相談をいただきました(天井漏水と貸主側の対応について)
CATEGORY | クレーム・トラブル対応
弊社は けーあいリノベ紹介所Youtube支店 という、自社で手掛けているリノベ物件の制作過程をご紹介するチャンネルを運営しております。
まだまだ登録者数は全然ですが、この動画を見ていた方が実際に物件を購入されているケースもあるので、頑張ってやっておる次第です(;^_^A
また、このチャンネルとは別に けーあい賃貸紹介所Youtube支店 というのも一応やっています。
※近々削除するかも…
こちらについては正直あまり稼働しておらず、メインのリノベチャンネルと統合を個人的に考えてます。
単に賃貸物件を紹介してもあまり面白くないと思うので、使えそうなトラブル対応事例動画を再編集してリノベチャンネルの番外編動画としてアップし、タイミング見て閉めようかと検討中。
そんなことを考えていたところ、今週木曜日に賃貸チャンネルのトラブル対応事例を見た視聴者様からご相談メールをいただきました。
(匿名でメールをいただいたので、その方を以下「Aさん」とします。)
■管理会社・貸主とのトラブル相談
Aさんから来た相談というのは 管理会社と貸主がちゃんと対応してくれないので、借主はどのようなことを相手方に求めることができるのか と言った内容でした。
詳しい記載は避けますが、簡単に言うと Aさんお住いの賃貸物件で天井漏水トラブル(原因は上階の給湯管亀裂)が発生したが、管理会社と貸主の対応がお粗末でAさん激おこ(# ゚Д゚) と言った感じです。
弊社管理物件でも漏水被害を出したり(=加害者)、または被害を受けたり(=被害者)ということはあるので、Aさんが大変な思いをされたのは文面からも読み取ることができました。
しかも管理会社の対応というのが、同業者の私が見てもお粗末だなーと思う内容(*_*)
修理依頼した外注先に丸投げしてAさんへのフォローを怠ったり、被害を受けたAさん所有物の補償もする意思がなかったり、そもそも現場に行って状況確認も行ってなかったり…(-_-;)
これではお怒りになられて当然です
■貸主は修繕義務を負う
Aさんから受けた質問についてですが 借主は貸主に対して被害箇所の修繕を求めることができます。
民法第606条
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責に帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
もし借主が貸主に修理を依頼しても直してくれない場合は、借主が自分で直すこともできます。
民法第607条の2
賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
二 急迫の事情があるとき。
ちなみに、2020年3月以前は借主が自分で直すことは認められておらず、2020年4月施行の改正民法からできるようになりました。
■被害を受けた所有物も損害賠償請求の対象
Aさん所有物の損害についても 壊れてしまったのであれば損害賠償請求の対象 となります。
逆に言えば 汚れてしまった部分を掃除すれば使えるのであれば損害賠償請求は難しい可能性 があります。
(掃除したことで大きく価値を損ねるのであれば対象になるかもしれませんが、細かい部分については個別対応になるかと思います)
損害賠償請求については注意が必要で、購入当時の金額が丸々保証されるわけではない と思った方がいいでしょう
買った当時と今の価値では、よっぽどの高価なものでない限り価値は下がっております。
つまり経過年数が考慮されるということです。
借主の損害賠償請求に対して、貸主は加入されている保険または自己負担にて対応する形となるでしょう。
■Aさんとのやり取り、その後
Aさんからいただいたメールには、「私は第三者なので参考程度に」ということを書きつつも、結構な長文で返信しました。
かなり感情的になられているのが文面で読み取れたので、冷静になってもらうために客観的視点で書きました。
書いた内容は上記に近いものですが、対応方法もわかないような感じだったので、どうすればいいのかの具体的な動きもプラスして記しました。
そうしたら、昨晩Aさんからお礼メールが来ました\(^o^)/
「かなり混乱していたが、いただいたメールで頭が整理された」といった内容が書かれてました。
直接お会いして対応したわけではありませんが、ちょっとでもお手伝いができたのかと思うと、返信してよかったなーと思えました(^^)
■トラブル発生時は初動が一番大切
私の経験則ではありますが トラブル発生時に初動を間違わなければ着地に失敗することは少ない と思います。
具体的な動きとしては できる限り早く現場に行って状況を確認し、修理までの大まかな流れを伝えて、不安を取り除く のです。
被害者の方は、仮に管理会社スタッフが現場にすぐ行ったとしても、修理業者ではないのでその時は直らないことをわかっています。(実際にそのようなことをお客さんは言ってました)
それでも現場に行くのは 不安を取り除くため です。
修理までの大まかな流れを伝えれば、直る目処を知ることができます。
被害を受けたものがあったとしても、被害者に過失がないのであれば相手方に請求することができると伝えることができます。
電話で伝えてもいいのでしょうが、不安な時に対面で説明してもらえると安心します。
私は今まで対応したトラブルで、上記のような動きをしたことで大きくもめたことは殆どありません。
もちろんその場ではこっぴどく怒られることもありますが、帰る時は怒りも引いてきちんと話しできますし、そういったお客さんほどその後のお付き合いは良好です。
トラブルが発生した時こそスピード感をもって対応すべき だと改めて感じた、Aさんからいただいたメールでした。