Taro Yoshida BLOG吉田太郎のブログ
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11月2021
私が裁判員になるまで②
CATEGORY | 法律・資格
「私が裁判員になるまで①」の続きです。
■2021年2月某日
いよいよ選任手続期日が来たので、某地方裁判所へ行きました。
裁判所のセキュリティは当然厳重で、空港での手荷物検査みたいな機械を通してチェックします。
ただ、裁判員裁判候補者についてはそのチェックはせず、セキュリティ横の通路を通してもらいました。
エレベーターに乗り該当のフロアへ移動すると、会議室入り口前に受付の方が数名いました。
受付を済ませ入室すると、広い部屋に椅子がズラッと並んでおりました。
パッと見た感じ6×12~13席くらいある感じ。(後で席次表を見たら75番までありました)
正面にはホワイトボードと大きなモニターが2つ、部屋の中央にモニターがもう2つ設置されてました。
席は番号で決められており、私は18番でしたので、その席へ着席します。
席には下記の書類がありました。
・今回の事件の概要
・質問票
・交通費を精算する書類
事件概要には被告人と被害者の情報、罪状などが書かれており、罪状は「殺人」でした。
概要をよく読んでみると、当時ニュースやワイドショーで報道されていたのを思い出しました。
「…マジかよ…」
ボソっと声を出してしまいましたが、これが素直な気持ちでした…
この日を迎えるにあたり自分なりに裁判についていろいろ調べたら、裁判員裁判で多いケースが「覚せい剤関係(密輸とか所持とか使用とか」でした。
そのせいか最初は気持ち的に軽かったのですが、まさか想定外の殺人とは…
ただ、会場内にはかなり人いるし、選ばれるのも裁判員6人+補充裁判員3人だから、そうそう選ばれることはないだろう…と高をくくっておりました。
そして、選任手続が開始されます。
■選任手続
定刻になると、裁判所関係者が今回の選任手続と事件の概要を説明します。
その後、今回の裁判を担当する裁判長、裁判官2名、検察官1名、弁護人1名が正面に立ち、全体に向けて挨拶をされました。
そして最後に、質問票を提出します。
私は特に裁判員になりたくないとは思ってなかったので、参加したくない理由等は書かずにすぐに提出しました。
実はこの質問票を提出後、人によっては裁判官らとの面談があります。
参加できない(またはしたくない)理由を直接本人から聞くためです。
つまり面談に呼ばれる人=参加したくない人となるわけです。
面談者は結構おり3分の1くらいの人が呼ばれ、時間にして40~50分くらいかかったと思います。
そしてすべての面談が終わり、裁判官らが裁判員を決めます。
この作業は私たちがいる部屋ではない別室でやってました。
そして、いよいよ選任者の発表です。
■13,000分の1
私は裁判員裁判に興味があったし、どんな事件でも参加したいと思いました。
でも実際に選任手続会場に行ったら60~70人くらい人がいるし、まぁ当たるわけないだろうって本気で思っていました。
というのも、私はてっきり10数人程度しかいない中から選ばれると思っていたのです。
それであれば選ばれることも十分あるだろうと思ってたのに、60~70人くらいいるんじゃまず無理だと思い込んでいました。
実際に発表されている時も何にも考えずボケーっとしてたくらいですから。
〇番、□番、18番、△番、×番…
…と呼ばれた時も、自分(18番)だと気づかず、私の周辺に座っている人が私の方をガン見ているので
「え!?俺!?」
っていって気づいたくらいですから。
関係者から再度番号が呼ばれ、自分であることを理解すると、頭の中が真っ白になってしまいました。
ちなみに、裁判員に選ばれる確率は、県の人口にもよりますが大体13,000分の1くらいだそうです(裁判官談)。
とんでもない確率を引いてしまいました…
■宣誓する
選ばれた裁判員6名と補充裁判員3名は別室に移動となります。
その部屋は何とも厳かな雰囲気で、見たことのないくらい大きな机を挟んで裁判官らが座っておりました。
私らはそこで改めて裁判員に選ばれた旨を伝えられ、机に置かれている書面を見ます。
「宣誓」と書かれた書面です。
そこに書かれている文を8名一緒に宣誓しました。
宣誓後、これから始まる裁判日程等の説明を受け、その日は終わりました。
【次回へ続く】