Taro Yoshida BLOG吉田太郎のブログ
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11月2021
私が裁判員になるまで③
CATEGORY | 法律・資格
「私が裁判員になるまで②」の続きです。
■評議室
3月某日、公判初日。
選任手続時に受け取った入館証を首にぶら下げて裁判所に入ります。
本来は入口で荷物検査をするのですが、裁判員は入館証を貸与されているので検査無しで入館できます。
館内の上層階へエレベーターで移動し、刑事課で受付をします。
ここのセキュリティも当然しっかりしており、刑事課を通らないと評議室へ入れない仕組みになってます。
刑事課での受付後、裁判員らが集合する場所、「評議室」へ入ります。
評議室は、公判中、私たちが裁判長&裁判官と裁判について議論する部屋です。
かなり広い部屋で、70~80㎡はあったと思います。
中央には大きな楕円の机があり、席が全部で12席(裁判長、裁判官×2、裁判員×6、補充裁判員×3)ありました。
奥には大きなホワイトボード、大型モニター、プロジェクターも用意されてました。
それとは別にローテーブルとソファがあり、くつろげるようなスペースもあります。
それぞれ席は決まれらており、裁判員の間に裁判長と裁判官が座るレイアウトになってました。
机にはA4サイズの箱が置いてあり、その中には裁判に関する資料とファイルが入ってます。
当然ですが、裁判に関する資料は持ち出し厳禁で、メモ用紙も自前のものは使えず全て用意されてました。
ファイル内には公判初日~判決日までの予定が書いてました。
〇月×日、証人△…みたいな感じで書かれており、予定表自体はざっくりしたものです。
■公判開始
開廷10分前になると、全員で専用エレベーターにて移動します。
既に法廷内には人が入っている状態で、
・原告側(遺族・検察官2名・弁護士2名)
・被告側(被告人・弁護士2名)
・書記官2名
・警備官2名
・傍聴人(公判初日ということもあり30人弱)
…といった方々が待機してます。
定刻3分くらい前に、まず裁判長が入廷します。
そして定刻になると、書記官から待機室にある専用電話に入廷するよう連絡が入ります。
法廷内の席が決まっているので、スムーズに入廷できるよう入る順番も決めて入廷します。
我々が入廷すると、法廷内の人たち全員が起立します。
席前で一礼して、全員着席します。
■審理
裁判長から「開廷します」と発せられて裁判が始まります。
審理が始まると、起訴状に書かれている内容について、検察側と弁護側が主張や立証、尋問、質問などをします。
提出される証拠の中には、被害者の写真もありました。
裁判官から聞いた話ですが、裁判員裁判が始まった頃の被害者の写真はまさにそのままの状態で生々しいものだったそうです。
でも現在は改善されて、若干加工されたものになっています。
私たちが見たものも加工されていたためか、見ることができないということはありませんでした。
よくドラマで「意義あり!」とか言ったりしますが、裁判官曰く「基本的にはない」そうですが、私たちの裁判で2回ほどありました。
どういうケースだったかというと、検察側が被告人への尋問が誘導的だった時です。
この時は、検察側が話をしている途中に弁護側から「意義あり!」と言いました。
突然大声を出したのでビクッとしたのを今でも覚えています。
一通り検察側と弁護側の話しが終わると、10~20分程度の休憩に入ります。
我々も一旦評議室に戻り、審理中の内容や質問がないか確認します。
裁判官だけでなく裁判員にも質問する時間がきちんと用意されているので、事前に打ち合わせをして質問内容は決めます。
私も公判中、3回質問しました。
質問中は法廷内のほぼ全員が私を見るので、一番最初の質問はメチャクチャ緊張します。
【次回へ続く】