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Taro Yoshida BLOG吉田太郎のブログ

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11月2021

漏水トラブル対応のその後

CATEGORY |  クレーム・トラブル対応

昨日書いたブログの続きとなります。

 

 

ネタを書く前に、登場人物をまとめるとこんな感じ。

 

・私 → 私

 

・入居者Yさん → 被害を出した部屋の入居者

 

・オーナーSさん → 被害を出した部屋のオーナー

 

・業者Tさん → 被害を出した部屋の施工業者

 

・仲介会社Hさん → 被害を受けた部屋を仲介した人

 

・被害者Bさん → 被害を受けた部屋の入居者

 

全部で6名登場します。

 

 

尚、昨日のブログを書いた段階で分かっていることは…

 

①入居者Yさんが住んでいる部屋の便器の根元がもげた

 

②入居者Yさんの部屋の直下階天井で漏水発生

 

③便器がもげたことと直下階漏水の因果関係は不明

 

④夜に現地で状況確認予定

 

といった感じでした。

 

 

 

■夜、現地入り

 

現地7時集合でアポを取っていたのですが、私はちょっと早めに夜6時40分頃着いたので、建物エントランスで待機していたら、仲介会社Hさんが来られました。

 

私たちの立会いに同席してもらい、一緒に状況確認するのが目的です。

 

今回の件でまずはお詫びをして、お互い分かっていることの情報共有をしました。

 

しばらくするとオーナーSさんと業者Tさんが来られたので、先に直下階の被害状況を見るため被害者Bさんの部屋に向かいます。

 

オーナーSさんが菓子折りは持参しているので、被害者Bさんにお渡しして、一同で謝罪しました。

 

 

 

■被害の確認

 

確認場所は、洗面台、トイレ、洗濯機置き場、隣の和室の4ヶ所。

 

被害を受けた被害者Bさんは、漏水が発生した時に動画を撮ってくれていたので、その状況を見てみました。

 

それがコチラ。

 


まるで雨が降っているみたいな状態です。

 

この水量であれば共用配管の可能性は低いですが、ここで一つ疑問が。

 

それは「漏水発生場所の上はトイレではなく洗濯機が置かれている」ということです。

 

入居者Yさんから聞いていたのは「便器の根元がもげた」ということでした。

 

なので「トイレの排水が洗濯機置き場に来るのか?」と、動画の状況に全員???となってしまいました。

 

 

ちなみに、洗濯機置き場付近以外にも、洗面台や和室にも被害が出ており、和室の畳はカビも発生しておりました。

 

尚、トイレ天井は被害ありませんでした。

 

一通り状況確認をしたうえで、オーナーSさんから被害者Bさんに対して被害箇所の修繕を確約し、部屋を出ました。

 

 

 

■被害を出した部屋の状況確認

 

次は直上階である部屋に行きます。

 

こちらの部屋の入居者Yさんに対しても、オーナーSさんが菓子折りを持参していたのでお渡しして、まずは一同謝罪です。

 

そして、トイレとその周辺を確認します。

 

 

写真を送ってもらっていたので分かってはいましたが、やはりもげております。

 

ただ、奥の方をライトを当てて見てみましたが、水が漏れるような感じではありませんでした。

 

洗面台や洗濯機置き場など一通り見てみましたが、怪しい部分は見当たりません。

 

私が入居者Yさんに了解を得てお風呂場を見てみると、排水溝に思いっきり髪の毛が固まっておりました。

 

 

話しを聞くと、今まで一度も髪の毛は取っていないとのこと。

 

周辺を色々調べていたら、どうやら画面上部の穴は洗濯排水が風呂場の排水溝に流れる仕組みになっていました。

 

我々は「これは怪しい」と思い、水を流したら直下階に被害が出るかどうかを確認しようと、私は被害者Bさん宅へ再訪問・入室しました。

 

 

 

■水を流して確認

 

直上階でトイレ、洗面所を流しても直下階には水が漏れません。

 

縦の共用配管から流れているのが音で聞こえます。

 

天井からの漏れは全く確認できませんでした。

 

 

次に洗濯排水の確認です。

 

洗濯機に水を溜めて排水すると、お風呂場の排水溝に流れるのですが、何と髪の毛が排水の妨げとなり一気にオーバーフローしてしまいました!

 

ヤバいと思った業者Tさんが固まった髪の毛を無理やりどかしたら、排水されなかった水が一気に排水されギリギリセーフ!

 

私は直下階にいたのでその状況を見てませんでしたが、話を聞くと、排水溝周辺の水量がすごい勢いで増えて、かなりヤバかったそうです。

 

 

 

■仮説

 

排水が終わった後、排水溝周りをよく見てみると、ところどころにクラックがありました。

 

ここで我々が考えた仮説。

 

「排水溝に髪の毛が溜まったことで、排水溝ではなくクラックを伝って下に排水されたのでは?」

 

 

髪の毛が溜まった排水溝からは殆ど水が流れてませんでした。

 

では、その水はどこへいったのでしょうか。

 

洗濯排水は何十リットルも使いますから、溜まり続けた洗濯排水の大部分がクラックに浸入し、動画のようになってしまったと考えると合点がいきます。

 

 

実際、髪の毛を取った後に洗濯排水をすると何の問題もなく流れ、排水溝に水が溜まることもありませんでした。

 

そうなると漏水の原因は「髪の毛を取らなかったことで排水溝に水が流れず、クラックを通して流れてしまったから」という可能性が出てきます。

 

この話を横で聞いていた入居者Yさんは、過失が自分にあるのではないかと感じてしまい、明らかに表情が暗くなってしまいました。

 

 

 

■保険を適用

 

仮に入居者Yさんの過失だったとしても、入居時に加入した保険がありますので大丈夫だということを伝えると、安堵の表情を浮かべました。

 

直下階の修繕をした場合、被害範囲を考えると数十万コースですから、キチンと入っていただいてよかったです。

 

ただ、ここで疑問がもう一つ、「便器がもげた件はどうなの?」ということ。

 

こちらは今回の漏水とは全く無関係なトラブルでした。

 

偶然同タイミングだったということもあり疑ってしまいましたが、トイレの漏水の可能性は現時点では低いと考えてます。

 

でも施工不良の可能性は特大なので、こちらはオーナーSさん負担。

 

便器の修理も今回漏水修理と一緒に対応することで了解をいただきました。

 

念のため便器と洗濯、お風呂の利用は控えていただくお願いをし、オーナーSさんから商品券ン万円をお詫びの品としてお渡しし、こちらも了解いただき、我々は退室しました。

 

 

 

■私なりに思ったこと

 

漏水トラブルはすぐに解決することはあまりなく、対応の仕方を間違えると被害者は激おこがずっと続きます。

 

ただ、今回について個人的には、今できる最大の対応ができたと思います。

 

それではどこら辺が良かったか、私なりに考えてみました。

 

 

 

①オーナーが菓子折りとお詫び品持参で直ぐに現場へ行った

 

昨今の賃貸物件はオーナーの自主管理というよりは不動産会社へ委託するケースが多いです。

 

委託する理由はいくつかあると思いますが、一番の理由は「トラブルの矢面に立たずに済むから」ではないでしょうか。

 

私は仕事柄、トラブル対応することに(感覚がマヒしてしまったせいか)何も感じなくなってしまいましたが、普通の人であれば誰も関わりたくありません。

 

でも今回は、オーナーSさん自身で「菓子折り&お詫び品持参で謝罪に赴く」と決断しました。

 

これはとても大きなことだと思います。

 

現場にオーナーが入れば修理を含めた全ての決断も早くなりますし、面と向かって謝罪できることで誠意も伝わりやすいです。

 

しかもお詫びの品の額もなかなかインパクトあったので、こちらも効果大だったと思います。

 

 

 

②業者さんも同行した

 

私もオーナーSさんもある程度の設備はわかりますが、プロではありませんので分からないこともあります。

 

今回については、業者Tさんが同行してくれたことで、ある程度の原因究明は出来ました。

 

原因がわかれば今後の対応方法もわかりますので、修理までの大まかな流れも説明できます。

 

被害を受けて嫌な思いをしていつ直るかどうかわからないよりも、今後の流れがわかれば目安がわかりますので、不安が減る要因にはなると思います。

 

 

 

③人柄がよかった

 

これは完全に運が良かっただけなので私たちの動きのおかげでも何でもありませんが、入居者Yさん、被害者Bさん、そして仲介会社Hさんの人柄に助けられました。

 

今回のトラブル発生にあたって、入居者Yさんと仲介会社Hさんに細かく連絡したおかげで、こちらが動いているということは伝わったかもしれません。

 

また、仲介会社Hさん経由で被害者Bさんにも話はいっていたようで、現場でお会いしても全く怒らず、逆に「遅い時間に来てもらってスミマセン」と気を遣っていただいてしまいました。

 

いずれにしても、これについては運が良かったの一言に尽きます。

 

 

 

■トラブル対応はスピードが命

 

そして最後に思ったこと。

 

「やはりトラブル対応はスピードが命」。

 

これです。

 

 

発生したトラブルを大きくしないためには、すぐ対応すること。

 

それは別に、当日現場に入らなきゃダメとかそういうことではありません。

 

トラブル解決に向けて、今できることを全部やるということです。

 

 

オーナーに報告をする。

 

関係者からくわしく聞き取りをして時系列にまとめる。

 

保険が適用できるか確認する。

 

動かせる業者がいるか調べる。

 

被害者または加害者に電話をして不安を取り除く。

 

 

現場に行かなくてもこれだけできます。

 

 

 

私はトラブル対応するにあたり、「もし自分が当事者になったら、やってほしいと思ったことをやる」ということを心掛けてます。

 

その思いが相手方に伝わってくれればいいなと切に願います。

 

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