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Taro Yoshida BLOG吉田太郎のブログ

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7月2021

私が見た相続事例・中編(超もめたケース①)

CATEGORY |  法律・資格

昨日、私が間接的に体験した相続について、うまくまとまったケースをご紹介しました。

私が見た相続事例・前編(うまくまとまったケース)

 

今日はもめたケースのご紹介です。

活字にすると大した事なさそうですが、目の前で見ていた私的にはまさに骨肉の争いという感じでした(-_-;)

しかもそれが2回も起きているので、それはそれは大変でございました…(;´Д`)

 

■家族構成と概要

・母Gは重度の認知症のため施設に入所

・三女Jは父Fをサポートすることを条件に同居している

・長女Hと次女Iは別の場所で生活している

・父Fは公正証書遺言を作成済(母Gは相続しない記載あり)

・三女Jは公正証書遺言の内容を父Fから聞いており、長女Hと次女Iはそのことを知らない

・家族間のトラブル等は表面上ない

 

■相続前の動き

・自分に有利な内容で相続されることを知っている三女Jは、父Fのサポートを怠るようになった

・不満に思った父Fは、三女Jを追い出し次女Iにサポートを依頼し、次女Iは父Fと同居し始めた

・父Fは既に作成済みの公正証書遺言を撤回しようとしたが三女Jが阻止し、次女Iは追い出され、三女Jが父Fと再同居

・相続人が集まって話し合い等はしてない

・長女Hは父F・次女I・三女J間のトラブルを全く知らない

 

■相続時

・遺言執行者である三女Jが公正証書遺言の内容を執行する

・長女Hの相続は、自身が住んでいる父F名義の土地40坪(約1000万)

・次女Iの相続は、地方にある殆ど価値のない土地150坪(約20万)

・三女Jの相続は、上記以外の残り全て(土地・家屋・有価証券・現金等、合計約5000万)

・長女Hは遺留分減殺請求はせず、次女は弁護士を介して遺留分減殺請求する

 

■所感

父Fは公正証書遺言を作成したことはよかったですが、その内容を三女Jに伝えてしまったことは大きなミスです。

 

三女Jは多く遺産をもらえることが公正証書遺言で確約されていますから、もし内容を知ってしまったら「父Fを面倒見なくても公正証書遺言の内容を撤回されなければ遺産を多くもらえる」と邪な心が芽生えてしまうのも無理はありません。

 

また、成功例では事前に被相続人をフォローした相続人に対する評価を話し合ったことでトラブルを回避できましたが、今回は話し合わなかったことで表面化してなかった家族間の不満がモロに出てしまい更に悪化してます。

 

表面上ではトラブルがなくても、大きなお金が絡むことで、人間の本心が思いっきり出てしまった典型的な例ではないでしょうか。

 

実はこの話しは続きがありますので、その内容は次回ご紹介します!

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